2012年09月03日

カンボジア投資先最新事情−スタディツアー報告−

今日は先日、ご紹介したビジネスコンペティションにあわせて
開催されたカンボジアスタディツアーに参加したTパートナーの
体験記をお送りします。

8月9日から12日にかけてARUNカンボジアスタディーに参加しました。
私自身は2011年末からARUNに投資していますが、今回スタディー
ツアーに初めて参加し、ARUNの投資先や農村を訪問しお話を伺うことができ、
投資先の取り組み状況や課題、農村の現状について理解を深めることができました。

アルジュニでは、CEOであるジェニス氏から、ヘアエクステ事業の現在
抱えている課題や解決のための工夫、社会的インパクト発現のための
取り組みについて話を伺い、ヘアエクステの製造現場を案内していただきました。

髪の毛の買取価格の高騰への対応など課題はありますが、
NGOとの連携により雇用されているカンボジアの若者が、
それぞれの持ち場で活き活きと仕事に取り組む姿が印象的でした。

別の投資先であるフランジパニでは、
ソメティリエットCEOから、カンボジアの
地域住民に恩恵をもたらすホテル業、観光業のあるべき姿や今後の事業計画に
ついて非常に熱心に説明していただき、投資先への理解が格段と深まりました。
また、フランジパニが現在新たに建設中のホテルの工事現場を視察し、
ARUNの投資が、実際に社会起業家のアクションに繋がっていることを
実感しました。
(なお、スタディーツアー中はずっとフランジパニのホテルに宿泊して
いましたが、オシャレ、静か、清潔な本当にすばらしいホテルでした!)

最後にARUN投資先第一号のセダックが支援しているタケオ県の農家組合を訪問し、
サハクレアセダックの取り組み内容について、地域住民の声を聞きました。
短時間の滞在でしたが、セダックの活動が農村の人々の生活と密接に繋がっていること、
セダックの活動により地域の経済活動が活性化されていることが分かりました。
セダックの想いや考えがどのように農村に届き形になっているか、を実感できた
有意義な訪問でした。

今回、スタディーツアーに参加できたおかげで、自分が投資したお金が
カンボジアの発展に微力ながら貢献している(今後貢献するポテンシャルがある)ことを
再認識でき、改めて社会的投資の魅力、やりがいを感じることができました。
同時に、ARUNの投資における「社会性」とは何か、改めて考える良い機会となりました。

投資先の事業が成功し投資金額が回収されることだけがARUNの目的ではないこと。
一方、投資先事業の社会的インパクトを明確な形でイメージし、投資先とARUNとの
間で共有することは意外に難しいこと。だからこそ、投資先の経済的成功と社会的
インパクトの両方を重視するARUNにとって、投資先と投資の検討段階からから
しっかり話し合い、お互いのビジョンを共有し理解し合うことが大切であること。

今回のスタディーツアーは、社会的投資の意義と出資者としての自覚を再認識する
とてもすばらしい機会になりました。スタディーツアーを企画、運営していただいた
皆様本当にありがとうございました。


posted by ARUN at 05:10| Comment(3) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月01日

大きくパワーアップした2回目のカンボジアでのソーシャルビジネスコンペティション

カンボジアで去年冬に続き、ARUN LAB主催のソーシャルビジネス
コンペティションが開催されました。
地元のプノンペン・ポストや日本の
Sankei Bizが記事を掲載してくださるなど、少しづつARUNの活動への理解が深まりつつあることに感謝しています。

今回は、日本から参加したメンバーの国際基督教大学の武田健吾さんが手に汗握る
現場の様子をお伝えします。

8月6日から12日までの一週間、ARUN LABソーシャルビジネスコンペティションが
プノンペンで開催されました。この企画はARUN LABの活動ビジョンでもある社会的投資
の普及・啓発、人材育成を主な目的として行っていて、去年に引き続きカンボジア
日本人材開発センター(CJCC)の協賛のもと、今年で2回目の開催となります。

カンボジア、ミャンマー、日本の学生が混合でチームを組み、社会問題に
フォーカスしたビジネスアイディアを競い合うという内容で、最終日には
100人以上のオーディエンス・ゲストを迎える大きなイベントにすることができました。

このビジネスコンペの大きな特徴は、実地調査やインタビューといった
アイディエーションの時間と、レクチャーやグループワークでのプランニングの
時間という2つの要素を、1週間という短い期間に集中してスケジューリング
していることです。他のビジネスコンペの多くは、1か月や3か月といった長期間の
準備期間を与えられ、合宿やレクチャーを経て計画を立てるといったプログラムだと
思います。

ARUN LABのソーシャルビジネスコンペでは、「何よりもフィールドワークや、
都市部・農村部でのヒアリングを大切にしたい」という1本の柱を持っています。
想像の中で終わるようなアイディアではなく、少しでも現実のカンボジアの社会と
結びつくもの、将来何かに繋がっていくようなアイディアを持ち寄り、競い合うことで、
ARUN LABのミッションに沿った魅力あるイベントになると考えています。

もう1本の柱は、国際交流としての側面です。今回のビジコンではカンボジアから
8名、ミャンマーから2名、日本から10名の計20名が5チームに分けられ1つの
アイディアを作り上げていきました。ソーシャルビジネスという急速に発展、進歩
している分野について、3か国の学生が混合チームを組み互いに経験、関心を擦り合わせ
1つのものを作り上げる。。。まさに疑似国際ビジネスです。

このような形で国際交流の機会を提供できることは、ARUN LABのメンバーとして
非常に嬉しいことです。僕自身、様々なバックグラウンドを持つ学生から刺激を
受けました。自分の輪郭が少しはっきりしたような気がします。1つの共通の関心を
持ち集まった学生の方々は、最後の最後までビジコンを楽しんでくれたように思います。

最終プレゼンの発表会のため、会場のCJCCアンコール・キズナホールに
集まってくれた方は約130名。まだまだ小規模の大会ではありますが、国際的な
ソーシャルビジネスコンペとしてイニシアティブをとって、今後も大きくなって
いけると感じています。

最後に、未熟ながらこのビジコンを1段階進めるお手伝いをさせて頂いたこと、
右も左もわからない状態での運営をサポートしてくれた皆さん、このビジコンを
大きくしてくれた関係者、参加者の皆様に、皆に僕自身も1人の参加者として
感謝の意を表したいと思いますします。ありがとうございました。
posted by ARUN at 18:16| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月12日

パートナーズエッセー TEDにはまる日々



  パートナーズエッセイのテーマは何でも良いということなので、
最近私がはまっているものについて、お話したいと思います。

  最近私がはまっているのは、TEDです。
すでにご存知の方も多いかと思いますが、Technology, Entertainment, Design
の略で、Ideas Worth Spreading をミッションとして掲げているサイトです。社会、政治、教育、テクノロジーやアートといった様々なテーマについて、著名人はもちろんのこと、様々な面白いアイディアを持った人たちの興味深いプレゼンを、無料で見ることができるのです。

  とても良いのは、それぞれのプレゼンが15分程度であるため、通勤やちょっとした
空き時間を利用して、色々な新しいアイディアに、極めて簡単に触れることが出来る
ということです。例えば、最近の脳科学の動向、ネット技術の新潮流から、深海に潜む
生物の美しい世界等々、様々なテーマの話がアップされています。まさに、TEDは、
我々を、未知の世界の様々なアイディアにつなげてくれる窓のようなものです。
その、窓を覗くことで、我々は知識の幅を広げることが出来るだけでなく、色々なことを
考えるヒントをもらうことが出来るのです。

  では、その中で、最近、私が感銘を受けた話をご紹介したいと思います。Willian Uryの
The Walk from “No” to “Yes”です。Ury氏は、「ハーバード流交渉術」という本の共著者で、様々な紛争の調停にも携わった人です。彼の主張は、紛争は「ある立場」と「それに対峙する立場」の間で起こるが、「第三の立場」に立つことで紛争の解決の糸口がみつかる、そしてキーワードは”us" 「我々」である、つまり同じ立場に立つことである、というものです。彼のプレゼンは、以下のとても面白い話からスタートします。

ある男が3人の息子に17頭のラクダを残しました。
長男に半分、次男に3分の1、三男に9分の1を残すとしました。
3人の息子は交渉を始めました。
17は2で割れない、3でも割れない、9でも割れない。
そこで兄弟は、賢い老婆に相談しました。
老婆は「力になれるか分からないが、とりあえず必要なら私のラクダをやろう」と言い、
ラクダは18頭になりました。長男は18頭の半分にあたる9頭をもらいました。
次男は18頭の3分の1にあたる6頭をもらいました。三男は18頭の9分の1にあたる
2頭をもらいました。合計17頭です。1頭余ったので、老婆に返しました。


  そして彼は、必要なのは、老婆のように一歩引いて、新しい視点から状況を見つめ、
18頭目のラクダに気づくことです。世界の紛争で、18頭目のラクダを見つけることが
私の使命です。と、話します。もちろん、現実の紛争において、このように18頭目の
ラクダとなるものを見つけることは容易ではないでしょう。しかし、彼が主張するように、
一歩引いて、互いに「第三の立場」に立つことができれば、今まで見ていたものとは違う
ものを見ることが出来る、そして互いに理解しようと努めれば、つまり「あなた」と
「わたし」ではなく「我々」になれれば、これまでとは違う展開が開ける、ということだと
思います。

  私は、この話は、我々ARUNの活動にも通じるところがあるのではないかと思いました。もちろん、我々は何らかの紛争に関与することはありません。ただ、我々ARUNが目標とする社会的投資は、金融仲介における資金の「出し手」と「借り手」という関係だけに止まらない、「第三の立場」という視点が必要ではないかと思っています。社会的投資とはどのようなものなのか、その具体的な手法や定義は、まだ定まっていません。しかし、漠然としたものではあるものの、我々が目指す方向は、資金的な情報だけで相手を捉えるのではなく、「第三の立場」に立ちながら相手を理解すること、そして、単なるお金の貸し借りだけではない、人やアイディアも含めた様々なもモノのやり取りを通じて「我々」となることで、互いの経済的・社会的価値の増大を図ること、これが「第三の立場に立った社会的投資」なのではないか、と思っています。

  もちろん、これは言うほど容易いものではなく、ビジネスとして持続可能なものと
していくには、まだまだ問題も多いことも事実です。しかし、この課題に挑み、ARUNの
社会的投資を新たなビジネスモデルとして確立すること、それこそが我々の使命であり、
まさにIdeas Worth Spreading となると思うのです。別のTEDのプレゼン
(Lisa Gansky のThe future of business is the "mesh")の中で、”Delight is
contiguous” 「喜びは伝染する」というフレーズがありました
(彼女の話の内容は省略しますが、これも面白いのでお勧めします)。ARUNの活動が
「喜び」となって、日本のみならず世界中に伝播していくこと、それが出来れば良いと
思っています。

  TEDに収録されているプレゼンテーションは英語ですが、日本語の字幕入りのものや、
プレゼンの全訳が読めるサイトもあります。
皆さんも是非一度TEDを覗いて、世界中の素晴らしいアイディアにつながってみませんか。

posted by ARUN at 13:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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