2012年08月12日

パートナーズエッセー TEDにはまる日々



  パートナーズエッセイのテーマは何でも良いということなので、
最近私がはまっているものについて、お話したいと思います。

  最近私がはまっているのは、TEDです。
すでにご存知の方も多いかと思いますが、Technology, Entertainment, Design
の略で、Ideas Worth Spreading をミッションとして掲げているサイトです。社会、政治、教育、テクノロジーやアートといった様々なテーマについて、著名人はもちろんのこと、様々な面白いアイディアを持った人たちの興味深いプレゼンを、無料で見ることができるのです。

  とても良いのは、それぞれのプレゼンが15分程度であるため、通勤やちょっとした
空き時間を利用して、色々な新しいアイディアに、極めて簡単に触れることが出来る
ということです。例えば、最近の脳科学の動向、ネット技術の新潮流から、深海に潜む
生物の美しい世界等々、様々なテーマの話がアップされています。まさに、TEDは、
我々を、未知の世界の様々なアイディアにつなげてくれる窓のようなものです。
その、窓を覗くことで、我々は知識の幅を広げることが出来るだけでなく、色々なことを
考えるヒントをもらうことが出来るのです。

  では、その中で、最近、私が感銘を受けた話をご紹介したいと思います。Willian Uryの
The Walk from “No” to “Yes”です。Ury氏は、「ハーバード流交渉術」という本の共著者で、様々な紛争の調停にも携わった人です。彼の主張は、紛争は「ある立場」と「それに対峙する立場」の間で起こるが、「第三の立場」に立つことで紛争の解決の糸口がみつかる、そしてキーワードは”us" 「我々」である、つまり同じ立場に立つことである、というものです。彼のプレゼンは、以下のとても面白い話からスタートします。

ある男が3人の息子に17頭のラクダを残しました。
長男に半分、次男に3分の1、三男に9分の1を残すとしました。
3人の息子は交渉を始めました。
17は2で割れない、3でも割れない、9でも割れない。
そこで兄弟は、賢い老婆に相談しました。
老婆は「力になれるか分からないが、とりあえず必要なら私のラクダをやろう」と言い、
ラクダは18頭になりました。長男は18頭の半分にあたる9頭をもらいました。
次男は18頭の3分の1にあたる6頭をもらいました。三男は18頭の9分の1にあたる
2頭をもらいました。合計17頭です。1頭余ったので、老婆に返しました。


  そして彼は、必要なのは、老婆のように一歩引いて、新しい視点から状況を見つめ、
18頭目のラクダに気づくことです。世界の紛争で、18頭目のラクダを見つけることが
私の使命です。と、話します。もちろん、現実の紛争において、このように18頭目の
ラクダとなるものを見つけることは容易ではないでしょう。しかし、彼が主張するように、
一歩引いて、互いに「第三の立場」に立つことができれば、今まで見ていたものとは違う
ものを見ることが出来る、そして互いに理解しようと努めれば、つまり「あなた」と
「わたし」ではなく「我々」になれれば、これまでとは違う展開が開ける、ということだと
思います。

  私は、この話は、我々ARUNの活動にも通じるところがあるのではないかと思いました。もちろん、我々は何らかの紛争に関与することはありません。ただ、我々ARUNが目標とする社会的投資は、金融仲介における資金の「出し手」と「借り手」という関係だけに止まらない、「第三の立場」という視点が必要ではないかと思っています。社会的投資とはどのようなものなのか、その具体的な手法や定義は、まだ定まっていません。しかし、漠然としたものではあるものの、我々が目指す方向は、資金的な情報だけで相手を捉えるのではなく、「第三の立場」に立ちながら相手を理解すること、そして、単なるお金の貸し借りだけではない、人やアイディアも含めた様々なもモノのやり取りを通じて「我々」となることで、互いの経済的・社会的価値の増大を図ること、これが「第三の立場に立った社会的投資」なのではないか、と思っています。

  もちろん、これは言うほど容易いものではなく、ビジネスとして持続可能なものと
していくには、まだまだ問題も多いことも事実です。しかし、この課題に挑み、ARUNの
社会的投資を新たなビジネスモデルとして確立すること、それこそが我々の使命であり、
まさにIdeas Worth Spreading となると思うのです。別のTEDのプレゼン
(Lisa Gansky のThe future of business is the "mesh")の中で、”Delight is
contiguous” 「喜びは伝染する」というフレーズがありました
(彼女の話の内容は省略しますが、これも面白いのでお勧めします)。ARUNの活動が
「喜び」となって、日本のみならず世界中に伝播していくこと、それが出来れば良いと
思っています。

  TEDに収録されているプレゼンテーションは英語ですが、日本語の字幕入りのものや、
プレゼンの全訳が読めるサイトもあります。
皆さんも是非一度TEDを覗いて、世界中の素晴らしいアイディアにつながってみませんか。

posted by ARUN at 13:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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