2012年07月29日

投資先事業の評価

ARUNは、社会的投資のリターンには財務的なリターンと社会的なリターンとがあると考えます。社会的投資を通じた成果がどのような形であがっているのかを把握し共有するために、ARUNは、日々の投資先事業のモニタリングを通じて得られる情報をもとに、事業・財務・社会的インパクトの観点から投資先事業の評価を試みています。今後は、更に評価を進め、評価方法の改善を図っていきます。

■事業評価
 社会的起業家が社会的ミッションを達成するために、どのような事業モデルを作り、どのような体制のもと事業を遂行しているかを評価しています。評価項目には、下記のような視点が含まれています。
・社会的起業家のリーダーシップ:起業家が社会的ミッションの達成にどのようにコミットし、数歩先をいくビジョンを持って、事業を展開することができているのかを評価します。
・健全なガバナンス:ARUNでは、投資先のガバナンス体制を評価しています(取締役会、監査役等の設置)
・事業モデルの革新性・先進性:これまで解決が困難であった社会的な課題を、投資先の社会的事業がどのように新しい方法で解決しようとしているのかを評価します。平坦ではない課題解決の道のりを、どのように試行錯誤しながら進んでいくのか、その取り組みの過程をみていきます。また、先進的な手法を取り入れた事業は、社会で注目を浴び、同じようなミッションの達成に取り組んでいる組織等に対してよい影響を与える、波及効果も期待されます。

■社会的インパクト評価
 社会的インパクトとして最も重要視されるのは、投資先事業が掲げる社会的ミッションの達成度合いです。例えば、ARUNの投資先の一つであるサハクリアセダックの有機米事業では、有機米の生産・販売を通じて、小規模な有機米生産者の生活の質を向上させることが目指されています。この事例では、有機米事業が生産者の所得向上や生産者組合の形成にどのように影響を与えているのか、また農家一人ひとりの生活がどのように変化しているのかを、モニタリングしています。
 この他に、ARUNとして投資先事業に期待している社会的インパクトには、下記のようなものがあります。
・雇用:投資先事業を通じてどれだけの雇用が生み出されているかを評価します。雇用の総数のみならず、従業員のスキル向上や社会的弱者の雇用創出など、雇用の質も重視しています。また、投資先事業における直接的な雇用のみならず、有機米生産者のように事業サプライチェーン全体を通じた雇用創出効果を評価します。
・地域経済へのインパクト:投資先事業の展開が同事業の拡大化にとどまらず、地域にある他の事業やコミュニティの人々にどのような影響を与えるかを評価します。
・環境:投資先事業の実施・展開が、環境改善につながるものを評価します。

■財務評価
 ARUNでは「収益性」「安定性(安全性)」「成長性」「(財務諸表の)信頼性」の4つの視点から投資先の財務評価を行っています。
「収益性」「安全性(安定性)」については、投資対象事業の持続可能性をメルクマールとしています。これは、どんなに社会的意義のある事業であっても、持続可能性がなければ、一時の活動に終わり、ARUNの投資先に適さないからです。「成長性」については、投資先の事業規模(売上高)が、その社会的インパクトの大きさ示すと考え、売上高成長率に着目しています。一方、投資先企業の「財務諸表の作成能力」についても評価を行い、必要に応じた助言も行っています。
・収益性:取引先や従業員に適正な支払いを行いつつ、借入金の元利金の支払いを行えるだけの利益を生み出しているかをメルクマールとします。「金融費用負担後利益」に着目します。
・安定性(安全性):借入金の元利金の支払いを予定通り行えるだけの営業キャッシュ・フローを確保できているかどうか(フローに着目)、事業規模に比べ過大に借入金が積み上がっていないか(ストックに着目)等の観点から、投資先の持続可能性を評価します。「営業キャッシュ・フロー」「負債比率」等に着目します。
・成長性:事業規模の指標である売上高の成長を最も重要な基準として設定し、「売上高成長率」に着目します。社会的企業は、事業活動を通じて生産者、従業員、地域社会等に社会的なインパクトをもたらしており、事業規模の拡大が社会的インパクトの規模を決定する重要な要因であると考えています。
・財務諸表作成能力:投資先が、適時に必要な財務諸表を作成できるかどうか評価します。ARUNの投資先には、基本的に月次での業績報告を求めています。

 社会的インパクト評価については、10月6〜7日のシンポジウムでもセッションを持ちますので、皆さまぜひご参加ください。
posted by ARUN at 23:42| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月24日

「社会的投資ってなんだ?」(2012年7月10日特別セミナー報告)

7月10日、ライフネット生命副社長 岩瀬大輔氏をお招きし、代表功能とのトークセッション「ARUN特別セミナー社会的投資ってなんだ?」を開催しました。

during the talk session.JPG

当日の様子を、ARUN東京事務所インターン生の濱田太郎さんがまとめてくれたのでご紹介します。
濱田さんは秋田国際教養大学のギャップイヤー制度を使い、2012年3月〜8月までARUNでインターン実施中です。18歳の若い瞳は何を感じ取ったのでしょうか?

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岩瀬さんが初めて社会的投資に出会ったのは留学中だそうです。「それまでは社会的なことを考えていなかった」とキッパリ仰っていて、「アメリカでは社会的投資がビジネスマインドの中に組み込まれている。ハーバード時代の友人の多くも、ビジネスに成功した際には何かしらの社会的な活動を行なっていた」とのことです。
そんな岩瀬さんとARUN代表の功能さんと出会った場所は意外なことにTwitterだそうです。岩瀬さんがTwitterで功能さんを見つけ、面白そうな人がいると思い、コンタクトをとったことが今に至るきっかけということでした。岩瀬さんは「面白いと思った人にはどんどん会うことを大切にしている」と重ねて仰っていました。
あれ、そういえば功能さんも、面白いと思った人には片っ端から会うようにしているって仰っていたような...

during the talk session2.JPG

そして岩瀬さんから参加した方々へメッセージをいただきましたので紹介します。
1) ビジネスパーソンは何らかのカタチで社会に恩返しする責任があるのではないか
2) 恩返しの中で優劣はないので自分の好きなものを大事にすればいい
3) リーマンショック後、金融の意義が問われている。アジアでの新しい金融のカタチが求められている

そういえば、僕が国際協力に興味を持ったきっかけは高校時代の恩師がアフガニスタン出身だったことでしたし、投資に興味を持ったきっかけはある本と出会ったでした。話が大きくなるかもしれないですが、人生に変化が起きた瞬間って”出会う瞬間”なんでしょうね。
また、僕は社会人になるまでにはあと4年ありますが、インターン中に学んだ、ARUNという団体の活動を、またARUNに関わっていらっしゃる方々を見習い、アクティブに恩返しが出来る人材になれるように頑張ります....もっといろいろな方から刺激を受けることを忘れずに。

two smiles.JPG

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当日の写真はこちらのアルバムもぜひご覧ください! (ARUN Facebook公式ページへリンクします)




posted by ARUN at 17:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月07日

ふらっとカンボジア一人旅 -ARUN存在意義を確認-

ARUNやARUN LABのメンバーになると
スタディツアーでカンボジアに行くこともできますが
こんな風に、ふらっと一人旅でカンボジアに観光とは異なったアングルで
近づくこともできます。
今日は、野本哲也パートナーのカンボジア訪問記をお届けます。

先日の長期休暇を利用してカンボジアを訪問してきました。

訪問のキッカケとなったのは、ARUNに参画してから活動を
続けるにあたって、ARUNの活動にリアルさが感じられなかったことでした。
金融という武器もなく、開発分野にも馴染みの薄い自分にとって、
ARUNでの活動は想像以上の何ものでもありませんでした。
イメージを膨らませるのは大変楽しい作業ではありましたが、
ふと我に帰ると「あれ?」という感覚に苛まれることが多々あったのが
正直なところです。

そこで、いつか行こうはいま行こう、ということだと思い
出発10日前ぐらいに航空券を取得し、ARUNの方々に助けを求め
訪問アポもままならない状況で出発してしまいました。

結果的には、皆さまのご尽力もあり、投資先ならびにARUNと
志を同じくする方々との意見交換ができたことは大変素晴らしい経験と
なりました。ありがとうございました。

さて、今回の経験を通して、一つ感じたのは「ARUNの社会的投資」に
ついて投資側と投資先でより深く共有することの必要性です。
自分がお会いしたある投資先の方は、必ずしも社会的投資を理解している
わけではなく、ARUNの志、意義に共感をして資金調達をしているという
印象を受けました。

これは、投資先の視点に立ってみると容易に想像ができること
ではありますが、ARUNは通常の投資機関が投資できない領域
(国、ステージ)に投資をしている、というだけではありません。

投資先の社会的成果モニタリング、投資側(パートナー)への
インパクトも含めて「ARUNの社会的投資」なのだ!!と認識をしています。
この点については、自分も微力ながら貢献をしていきたいところです。

最後に、ARUNの活動は本当にチャレンジングであると思います。
しかしながら、その分周りに与える影響は強烈なものです。
かくいう自分も、カンボジア訪問するぐらい影響を受けた一人であります。
今後も投資先のみならず、その他の関わりのある全ての主体に対して、
影響を与えていければ良いですね。
posted by ARUN at 09:38| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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